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CarburetorFlat CR FVHD39Conflagration (Cause a fire)
2013.04.18
 オフ・ミーティングの参加者の1台において出発の時に火災が起きてしまった。
 以下、某SNSに集まる指揮者による出火の原因についての考察である。
 
 
 FRPタンクカバーでおおわれた下にFCRがセットされている環境で
 FCRにはラムエアというエアクリーナーが装着されている。
 
 氷点下の自宅前で押し掛けでエンジンスタートさせて待ち合わせ場所まで走行。
 出発に際してエンジンスタートの時、パシュパシュとという息つきが混合気が薄い時に発生する現象が起きつつも
 アクセル開け気味になっていたため、加速ポンプが作動して気化されていないガソリンが多少熱の残る吸気ポートへ
 直接入りこんでいた状況でもあったかもしれない。
 エンジン掛かるかなという状況の時、タンク下から湯気というか煙が発生してきていたとのこと。
 エンジンは掛かって回っている状況であるが、煙は濃くなってくる。
 タンク下を覗きこむと炎を確認できた。
 取り急ぎ、火事場の馬鹿力でFRP製タンクカバーをはぎ取り、カナリの炎であったが手袋をした手で消火。
  
 
 ガソリンに引火、爆発という惨事は回避できたものの、右写真のように溶けたエアフィルターがキャブ開口部などに落ち込んでしまったために走行は不可能な状態になってしまった。
 
 かなりの参上であるがFCRの始動の際は、それほどスロットルバルブが開くわけではないので、吸気ポートへの燃焼物が入り込んでいる量はほとんどないと推察される。
 
 出火したのは右側のフロントシリンダだけで、ほぼくっつくように隣り合うリアシリンダ用のラムエア フィルターへの延焼は無かった。
  
 RAMAIR社製エアフィルターにより推奨される着火防止オイルでエアフィルターは処理されていた。
 多少の経年劣化は否めない状況ではあるが、定期的メンテを怠るオーナーではない。
 オーナーによる当初の考察では、
 寒さで気化しにくくなったガソリンが吹き戻しによって、経年劣化したラムエアに付着または浸みこんでしまって発火したのではないかという考察である。
 
 こんな状況で発火するのであれば、世界中のユーザーにおいて同様の事象がささやかれて、一般通念になり、ラムエアという製品にうわさが飛び交うと思われるが、それほど騒がれているといった情報はない。
   
 たしかに、一部のSRやSRXユーザーでラムエアをハイにしたという方が少数いらっしゃるという話を聞いたことがあるという情報もある。(変な文だ。。。)
 
 オーナー談
 今回の火災、昨日の日記やコメントでも何度も書きましたが、あくまで自己責任の上で起こったものと、本人は認識してます。
 災害とは思っていません。
 FCRキャブレターは、メーカーがあくまで「レース専用」と規定している商品です。
 安全面を厳しく、万全にしているサーキットでの使用を前提とした製品ですから、サーキットで仮に同じことが起こったとしても、直ちに消火器などでの鎮火やマーシャルによる対応が期待できる状況で使用されるべきものです。
 ですが、自分の趣味が高じて、その製品を「敢えて」公道使用しています。
 本来なら車検も通らないものですよね。
 安全性を十分に考えられた負圧式キャブ+エアクリーナーボックスという組み合わせを捨てて、火災などの危険性も「考えられる」製品を公道で使っている訳です。
 この時点で、危険に晒されても文句は言えないのです。
 ですから、今回のような事が起こっても、どこにも言っていくところは無いのですね。
 仮に十分なフィルターのメンテや、キャブのセッティングが出来ていても、他メーカー他形式のフィルターを使用したとしても、やはりこの危険性がついて回るキャブレターだからこそ、「レース専用」と謳われているのだと認識してます。
 
  某SNS BA氏
 私も、なぜフィルターが燃えたのか?原因の1つとしてバックファイヤーを考えていました。
 そこで、バックファイヤーの起きる現象とについて私事の拙い知識ですが下記に纏めさせて頂きます。
 *バックファイヤーとは、吸気行程中に不必要燃焼発生による吸気側への逆流現象です。
 それでは、何故不必要燃焼が起きるのか?それについて症例を元に検証してみたいと思います。
 @.燃焼室内のヒートスポット発生による不必要燃焼について
  1.これは、過走行車やキャブレターで濃いめにセッティングされているものは、
     燃焼室内にカーボンが堆積しやすく、堆積したカーボンが突起状に精製されて
     燃焼中の炎で過熱され、次の混合ガスが燃焼室内に入り圧縮されて、
     点火プラグより先に混合ガスに引火する現象です。
  *.着火した時の行程で現象が変わります。
     1.吸気バルブが開いているときにはバックファイヤーとなります。
     2.吸気バルブが閉じている時に上死点付近で着火すれば、点火プラグに点火
        しなくても、エンジンが回り続ける「ディーゼリング現象」となります。
 A.クランク位置についての要因とは
   1.クランクが回転中にヒストンは上死点手前やカムのオーバーラップ時
    (吸排気バルブが両方とも閉じていない領域)で急に止まった場合は、
     濃いめの混合ガスが、吸気慣性で排気管まで導かれ、排気管内の燃焼後の
     高温ガスにさらされて着火し、経路を逆流して吸気管まで達すると
     バックファイヤーとなります。
 
   2.クランクの回転数が極端に少ない場合は、プラグの点火位置は上死点手前に
      セットされていますので、混合ガスが点火された後に発生した燃焼圧力が、
      クランク回転慣性より大きい場合はクランクが逆転します。
      その結果、吸気バルブが開いて排気されることでバックファイヤーとなります。
【現象の発生し易いエンジンとは?】
 1.単気筒や2気筒などの少ない気筒で構成されているエンジン
 2.農機具などに使用されているような低圧縮エンジン
 3.加速ポンプなどを搭載した強制開閉するキャブレターを使用しているもの
 4.4サイクルエンジンなのにエンジンを停止する際によくブリッピングを多用し
    エンジンを高回転の状態で停止させる方
 5.アイドリング状態で長期運転される方
 *上記のものはバックファイヤーが起きやすくなるようです。
   ・カーボンの積載し易く、生ガスを排気管内へ導きやすくします。
【対策は!】
 1.インジェクション仕様にする。
 2.アイドリング回転を極端に低回転にしない。
 3.エンジン停止する際はアクセルを煽らず、アイドリング回転数に落ち着かせてから切る
 4.長期暖気運転をしない。 
  某SNS BA氏 上記補足
 *「フィルターがナゼ燃えたか!」との詳細な検証は、現物を詳細に調査しないと結論には達しないと思います。
 また、現状で解っている事柄を纏めてみても、確率から来る結果論を検証したにすぎないと思いますので、断定はできませんが、
 たとえ確率から来るものであっても、ある程度は核心に迫る事ができると思いますので、発生するであろう事柄を篩に掛けて選別したうえで取り纏めてみたいと思います。
 
 @.フィルターが一番よく燃えた場所は、キャブ周りの写真のとおり、フィルターのトップから火が点いていると思われます。
    1.ファンネルの先端からキャブ内部へ向けて炎が入り込むような類焼痕が見られます。
    2.ファンネルの外側の外壁には熱による焦げた跡がありません。
    3.キャブレター本体を含め、フィルターの周りに焦げた跡がありません。
 A.上記フィルターのトップが発火点である場合、その近辺で発火する要因のものは何があるのか?
    1.フィルターのトップ付近は燃料タンクの裏面の位地であるため、電装の配線がほとんどありませんので、
       電装の接触不良等で発生した過熱による発火点を起点としたものは無いと思われます。
    2.フィルターのトップ付近はエキゾーストの配管から遠く離れていますので、配管からの熱による発火点では無いと考えられます。
    3.また、発火した時は再始動直後の車両が停止状態のため、走行風により離れた場所からの火の粉の付着による着火は考えられないと思われます。
    *上記のとおりの事柄により、発火点がフィルター本体の上部で、さらに、内部から着火したものと考えられます。
 B.フィルター本体上部でそれも内部からの発火するものは何が考えられるのか?
    1.フィルター本体の構造はスポンジで出来ているものです。そこへフィルターオイル
       及び始動困難によるキャブレターからのガソリンの吹き返し(ガソリンのミスト)の付着している状態です。
       そこへ、早朝の湿度過多による結露及び外部からの水分の再付着でスポンジ内部の油分と水分がスポンジの構造と相まって
       酸化反応し過熱した上で着火したのではないのかとは考えられなかったのか?
    *これについては、確かに極希に酸化反応によって発火したケースはありますが、対象の油は植物油がほとんどで、
      鉱物油では過去の事例で聞いたことがありません。
      また、エンジンを始動すれば空気が移動しますので、水分などは揮発し酸化し続ける状況になりにくいと考えられますし、
      反応には長期を要する期間が必要です。
    2.静電気などは考えられないのか?
    *これについては、静電気を発生させる要因である摩擦や乾燥した環境及び帯電を助長させるもの
     絶縁物質と絶縁された金属片との摩擦が構造的に無いものであるため、静電気は発生する状況では無いと考えられます。
    3.その他は考えられるものは無いのか?
    *これについては、着火した場所と、上記の関係から「バックファイヤー」以外は考えられないと私は結論に達しました。
 C.発火点が「バックファイヤー」である場合、発生する状況はどのようなものがあるのか?
    1.バックファイヤーの発生状況はの詳細は、仙人さんがおっしゃっていますので そちらを参照下さい。
 D.フィルター本体が着火する条件はどのような状況なのか?
    1.これについては、一概に説明できません。
       しいて言えば、スポンジ単体だけでは瞬間的な炎が元で着火し燃え続ける状況になりにくいんです。
       また、炎として燃え続けるには体積が狭すぎます。
       更に、定期的に整備されているものや、防炎対策(フィルターオイルの塗布など)を定期的に実施されているもであるため、着火しづらい状況です。
       そこで、灸の藻草へ火が着いて炎が発生しない状況で燻るような状況の燃え方になる必要があります。
       その状況は、スポンジの劣化状況や塗布しているオイルの含有率及び密度、更に、吹き返したガソリンのスポンジに吸収された量や含有率などの環境です。
    *よって、今回の着火し類焼する起点は上記のとおりの燃え方になるような環境が整ったとの結論に達しました。
 E.上記のとおり、スポンジに着火した所へエンジンを始動した祭にキャブレターへ空気が移動した勢いで一気に延焼に至ったものとの結論に私は思いました。
 
    *全てが極希なケースの事です。
 
ファンネルの金網には
そういう意味もあったのか!!
某SNS BA氏 追加情報
 バックファイヤーの炎での延焼を防ぐ方法をおひとつ・・・!
 *吸気用ファンネルとフィルターの間に金属メッシュを挟み込む方法です。
 ・これは、キャブレターからの吹き返した炎を伴うバックファイヤーを金属メッシュで炎を冷却し、その先に炎を行かさなくする物です。
 
原理は、昔採掘洞での作業で作業用の明かりに蝋燭を使用していました。
 ですが、洞窟内で採掘すると発生した可燃性ガスの影響で爆発事故が絶えなかったそうです。
 そこで、防暴対策の構造で蝋燭の回りを金属メッシュで囲うと、金属メッシュを通り抜けたガスが蝋燭の炎で引火しても金属メッシュを通り抜ける段階で冷却されて 金属メッシュの外側へは炎の影響を防ぐ事ができたそうです。
 発明された方は、特許を取らず公開したことで炭坑などの洞窟での作業の安全が劇的に改善されました。
 
 上記の構造は社外のバイク用フィルターやワークスのマシーンにも一部採用されているようです。
 ホンダのHRCワークスレーサーのエンジンの写真が雑誌に掲載されているのを見る事がありますが、キャブレターのファンネル回りに金属メッシュで囲われているのを見かけました。
 どちらかと言えば、異物の混入を防ぐのが目的のようですが、副産物として逆火(バックファイヤー)の影響を防ぐのが目的のような気がします。
 
 さらに、社外で販売しているパワーフィルターなるものがありますが、フィルターの構造体で内側に金属メッシュで波状に出来上がっているものがあります。
 これも、上記の防暴防炎対策の構造には一役かっているのではないかと思いました。
 
 これは、私個人の拙い気づきとしての情報です。
 
 ただ、金網の目を細かくすることで延焼させない効果は上がるものの。今度は吸気抵抗が大きくなりパワーダウンしてしまうというデメリットも出てくる。
 適度な網目の物が肝要である。
 
   このような困難があるわけなのだけれど、FCRキャブレターという製品にはそれに勝る魅力がある。
 今回のケースは稀な事象ではあるが、この事故を踏まえて他人に迷惑が掛からないように使用していきたいものである。